2022.11.22

日本と海外で金融教育の差ってあるの?
日本の現状を知ろう!
金融教育は世界中の国と地域で行われており、日本も例外ではありません。
ただ、日本の金融教育は世界的に見て遅れていると指摘されており、今後どのように金融教育を推進していくのか、注目が集まっています。
この記事では、日本と海外の金融教育の差や、日本の金融教育が進まない理由、金融教育を推進するうえで重要なポイントについて解説します。
日本は金融教育が海外より遅れている…?
金融は私たちの生活と密接な関係のある分野ですが、日本は海外に比べると金融教育が遅れていると言われています。
金融広報中央委員会が実施した「金融リテラシー調査2022年」の結果によると、金融教育を学校等で受けた人の割合は、米国が20%であるのに対し、日本はわずか7%と1割にも達していません。[注1]
そうした金融教育の遅れからか、金融知識に自信がある人の割合も、米国では71%と過半数を大幅に上回っているのに対し、日本は12%とおよそ1割に留まっています。
実際、同調査の「OECD調査との比較」においても、日本の金融知識に関する設問の正答率は主要国である英国、ドイツ、フランスのいずれにも及ばなかったという結果が報告されています。[注2]
以上のデータから、日本の金融教育は主要な海外に比べて遅れていることがわかります。
[注1]金融広報中央委員会 知るぽると「金融リテラシー調査2022年」の結果 p17
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/literacy_chosa/2022/pdf/22literacyr.pdf
[注2]金融広報中央委員会 知るぽると「金融リテラシー調査2022年」の結果 p18
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/literacy_chosa/2022/pdf/22literacyr.pdf
日本の金融教育が進まない理由
日本の金融教育がなかなか進まない理由は、大きく分けて3つあります。
1. お金の話がタブー視されている
日本では、お金の話をするのは品のないこと、はしたないこととみなされ、長らくタブー視される傾向がありました。
お金は生きていくために必要不可欠なものでありながら、その話をしたり、知識を得たりすることに一種の後ろめたさを感じてしまう空気が、日本の金融リテラシーの低さを招いた大きな要因となっています。
2. 金融教育にかける時間が少ない
日本では2005年を「金融教育元年」と位置づけ、以降、学校における金融教育の推進を重視した活動を展開してきました。[注3]
しかし、2014年に公開された「中学校・高等学校における金融経済教育の実態調査報告書」によると、金融経済教育を行っている年間の時間数は、中学1、2年生で「0時間」が5割を超えるという結果になっています。[注4]
中学3年生から高校3年生までは、「1~5時間」との回答が最多で、それぞれ4割~6割を占めていますが、一方で「0時間」の割合も1~3割に及んでいます。
金融教育はカテゴリや分野が多岐にわたっており、その内容は幅広く、かつ奥深いものとなっています。
年間わずか1~5時間程度の学習では、金融教育のごく一部しか学ぶことができず、日本の金融教育の遅れを取り戻すのは難しいでしょう。
[注3]金融広報中央委員会 知るぽると「金融広報中央委員会の沿革」
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/gaiyo/enkaku.html
[注4]日本証券業協会「中学校・高等学校における金融経済教育の実態調査報告書」p13〜14
https://www.jsda.or.jp/about/kaigi/chousa/kenkyukai/content/jittai_rep.pdf
3. 投資など金融商品への消極性
日本では、家計の金融資産を現金や預貯金として保有しているケースが大半を占めています。
日本銀行調査統計局がまとめた「資金循環の日米欧比較」によると、日本の家計の金融資産構成は「現金・預金」が5割を超える一方、債務証券や投資信託、株式等といった金融商品の割合は約15%に留まっています。
一方、米国では「現金・預金」の割合が約14%と少なく、株式を始めとする金融商品の割合が5割を超えるなど、日本とほぼ正反対の構成になっています。
ユーロエリアは米国ほどではないにしても、金融商品の占める割合が「現金・預金」とほぼ同じ3割となっており、海外では金融資産を株式や投資信託などの金融商品として保有するケースが多いことがわかります。
金利が高い時代なら、預貯金も立派な資産運用の方法になり得ましたが、超低金利時代と言われる現代では、ただ銀行にお金を預けていても資産はほとんど増えません。
しかし、日本では投資商品は「リスクが高いもの」「怖いもの」というイメージが根強く残っており、積極的に投資や金融について学ぼうとする人がまだまだ少ないのが実状です。
こうした金融商品への消極性も、海外と比較した日本の金融教育の遅れや金融リテラシーが低いことの一因となっています。
[注5]日本銀行調査統計局「資金循環の日米欧比較」
https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjhiq.pdf
日本と海外の金融教育の違いは何?具体的な教育内容について

世界的に見て金融リテラシーが低い日本と、金融教育が進んでいる海外では、教育内容にどのような違いがあるのでしょうか。
金融教育の先進国とされる米国を例に挙げると、1960年代にはすでに学校における消費者教育がスタートし、1970年代からは全国規模での経済教育を展開するなど、早い段階から自立を促す実践的な教育がカリキュラムに組み込まれてきました。[注6]
また、小学校から小切手についての学習を行ったり、高校ではクレジット教育に加えて投資教育も実施したりするなど、金融教育が盛んに展開されています。近年では、退職企業年金制度「401(k)」の施行にともない、一般従業員に対する投資教育も広く行われるようになりました。
米国では、市場経済の一方の担い手である消費者の育成が、健全な市場を生み出し、結果として企業の利益を含む経済全体を豊かにするという認識があります。そのため、国だけでなく、各企業による金融教育への支援も活発に行われており、全国金融教育基金(NEFE)を代表とする多くの非営利組織が米国全体の金融教育を支持しています。
[注6]金融広報中央委員会 知るぽると「(4)海外事例を参考に」
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/susume/susume401.html
日本と米国の金融教育の違い
先に挙げた米国の金融教育と、日本における金融教育の違いは、金融教育を身近な学びとして取り上げているかどうかという点にあります。
米国では、金融は生活に密着したごく身近な教育であり、将来を生き抜くために全員が身につけておくべき知識であると認識しています。そのため、社会に出る前の小学生のうちから必要な知識を習得できる環境を整え、国や社会全体がそれを支援するという構図が出来上がっています。
一方、日本は前述したお金に関する先入観の問題などから、金融と生活がなかなか結びつかず、何のために金融を学ぶのか理解できないまま学習を進めているのが実情かもしれません。
今後は、実生活に根ざした、より身近な学習として学校の教育プログラムに盛り込み、早い段階から金融教育を浸透させること、年齢層に応じたカリキュラムの策定によってスムーズに金融教育を展開させることが、日本の金融教育を推進させるキーポイントになるでしょう。
金融教育を推し進めていくうえで重要なポイントは?

日本が金融教育を推進していくうえで特に重要な役割を担うのは、教える先生方です。
2022年度に改訂された学習指導要領により、高校での金融教育が拡充された今、特に高校の先生方にとって、金融教育は避けては通れない問題となっています。しかし、いきなり新しい指導要領に対応するのはなかなか難しいというのが実状かもしれません。
学校の先生方は普段から多忙な毎日を送っているため、金融教育に関する知識をできるだけ効率的に学びたいと考えている方も多いでしょう。
そのようなときは、独学ではなく、外部機関を活用して学校における金融教育に必要な知識を学ぶのも一つの方法です。
SMBCコンシューマーファイナンスでは、全国にあるお客様サービスプラザが主体となって、お金に関する正しい知識と適切な判断力の習得を目的とした「SMBCグループ金融経済教育」を実施しています。
SMBCグループ金融経済教育は対面型・リモート型・見て学ぶ動画教材による 視聴型など、さまざまなタイプをラインナップしていますので、受講を希望される方は学びたいテーマや参加しやすい方法を選ぶことができます。
受講は無料ですので、金融教育の授業をより充実させたいとお考えの方は、ぜひSMBCグループ金融経済教育の受講をご検討ください。
まとめ
日本の金融教育は海外に比べて遅れが指摘されており、金融リテラシーの低さを招く大きな要因となっています。日本では長らくお金の話をするのはタブー視されていましたが、今後は小学校の段階から金融教育を盛り込み、お金に関する正しい知識と理解を深めていかなければなりません。
2022年からは高校での金融教育が拡充されるなど、金融教育の先進国にならった新たな教育体系が形成されつつあります。学校の先生方には、ぜひ「SMBCグループ金融経済教育」も活用していただけたらと思います。
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