2023.12.08
「金融リテラシー検定」とは?
検定の概要や活かし方を解説!
私たちの生活にとって、お金は切っても切り離せないものであり、豊かな人生を送るためには、金融・経済・お金に関する知識が必要不可欠です。
インターネットやSNSの普及に伴い、金融トラブルが増えています。また、低金利が長く続く日本では、現在、インフレなどを受けて資産運用への関心が高まっています。貯蓄だけではなく投資での資産形成が欠かせない手段になりつつあることから、金融リテラシーの向上が求められています。
この記事では、金融リテラシーの習得を目的とした「金融リテラシー検定」の概要や活かし方を解説します。
そもそも金融リテラシーとは?
「金融リテラシー検定」について解説する前に、まずはそもそも金融リテラシーとは何かを解説します。
金融リテラシーとは、生活する上で身につけておきたい「お金」に関する知識や判断力のことです。金融リテラシーが向上すると、金融トラブルの回避や計画的な資産形成などにつながります。
成年年齢引下げにより、18歳から金融に関する様々な契約を保護者の同意なく自ら行えるようになりました。
その一方で、10代の金銭感覚調査では7人に1人がこれまでに詐欺などのトラブル被害にあったことがあると回答しているという結果もあり、早い段階から金融に関する適切な知識を学ぶ必要性が高まっています。[注1]
また、投資による資産形成の有用性が高まってきていることを背景に、2022年4月から高校教育における金融経済教育の内容が拡充され、金融経済教育に加速の動きが見られます。[注2]金融リテラシーが高まるほど、投資などの資産形成に効果がみられると言われており、金融教育を受けたことがある人は受けたことがない人と比べて金融資産の保有額が多い傾向があるというデータがあることからも、豊かな人生を送るために金融リテラシーは重要だと言えるでしょう。
しかしながら、日本の金融リテラシーの水準は決して高くはないのが現状です。
金融広報中央委員会の「金融リテラシー調査(2022年)」によると、金融知識についての正答率は英国、ドイツ、フランスがともに日本を上回る結果になりました。
「金融知識に自信がある人」(「とても高い」「どちらかと言えば高い」の合計)の割合が、アメリカは回答者の71%を占めているのに対し、日本はわずか12%です。[注3]
社会の中で経済的に自立し、より良い生活を送るために、金融リテラシーを高めていくことが求められています。
[注1]SMBCコンシューマーファイナンス「10代の金銭感覚についての意識調査2023」
https://www.smbc-cf.com/news/datas/news_20230828_.pdf
[注2]金融庁「高校向け 金融経済教育指導教材の公表について」をもとにSMBCコンシューマーファイナンス作成
https://www.fsa.go.jp/news/r3/sonota/20220317/20220317.html
[注3]金融広報中央委員会「金融リテラシー調査(2022年)のポイント」 p6,p12
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/literacy_chosa/2022/pdf/22lite_point.pdf
金融知識に関する試験や検定の種類
正しくお金と向き合うためには、金融に関する適切な知識を十分に習得できるように時間と機会を設けることが重要です。そしてその金融に関する知識をアウトプットする機会や成果として、さまざまな試験や検定があります。金融知識に関する試験や検定は、日常生活だけでなくキャリアアップに役立つものも多くあるため、代表的なものを見てみましょう。
FP(ファイナンシャル・プランナー)
FP(ファイナンシャル・プランナー)とは、ライフプランニングに関するアドバイスを行うお金の専門家のことです。金融や税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度など、家計に関わる幅広い知識を備えていることから、「家計のホームドクター」とも呼ばれます。
FPの役割は、相談者の立場やライフイベントを考慮してアドバイスやファイナンシャル・プランニングを行い、夢や目標を叶えるために経済的な側面からサポートすることです。
FPの知識は、日常生活だけでなく、保険会社や銀行、証券会社など金融商品を提供する仕事などで活かせます。
簿記
簿記とは、企業にとって不可欠な帳簿を記入する技術です。企業の経営活動はルールに従って記録・計算・整理する必要があります。簿記を学ぶと「貸借対照表」や「損益計算書」を作成できるようになり、企業の経営成績や財政状態などを明らかにすることが可能です。
簿記検定には「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」の3つがあり、それぞれ試験の主催団体が異なります。受験数が多く、知名度も高いのは「日商簿記」で転職やキャリアアップに役立ちます。
ビジネス会計検定
ビジネス会計検定とは、財務諸表に関する知識や分析力を問うものです。財務諸表が表す数値を理解し、ビジネスに役立てていくことを目的としています。
会計の資格としては簿記もありますが、「簿記=財務諸表の作成」「ビジネス会計検定=財務諸表の分析」といった違いがあります。
ビジネス会計検定を取得する利点は、新聞やニュースの経営・経済記事への理解を深められることだけではありません。その他、経理やマーケティング、営業などさまざまな役職や場面で活かすことができ、昇格・昇進にも役立ちます。
「金融リテラシー検定」
「金融リテラシー検定」とは、金融トラブルの回避や計画的な資産形成など、実生活で活かせる金融リテラシーの習得を目的とした検定です。
FP技能検定などの国家試験および金融機関向けの試験を制作・運営している「一般社団法人 金融財政事情研究会」が実施しており、関連するテキストは、SMBCコンシューマーファイナンスも協同で制作しています。
資産形成などの金融知識という点では、「金融リテラシー検定」とFP技能検定は似ていると思うかもしれません。しかし実際は、FPのようにお金の専門家向けというより、高校生・大学生・新社会人など一般消費者向けの検定試験です。
「金融リテラシー検定」の概要
「金融リテラシー検定」では特に受験資格を設けておらず、誰でも受けることができます。
試験内容などの概要は以下のとおりです。[注4]
試験内容 |
|
---|---|
対象者 | 高校生・大学生・新社会人など ※受験資格は特にありません |
受験方法 | インターネット試験(IBT方式) |
試験時間 | 40分 |
出題方式 | 正誤問題35問、三答択一式15問 |
合格基準 | 100点満点で60点以上 |
受験手数料 | 3,300円 |
受験教材 | 試験申込後に送信される申込完了メールに、「金融リテラシー検定」対応のデジタルテキストを閲覧できるURLが記載されています。 |
受験可能期間 | 試験申込後180日以内 |
試験方法は、インターネット試験(IBT方式)で、パソコンやスマートフォン、タブレットなどを使い、場所や時間を問わず受験できる点が特徴です。
高校教育における金融経済教育の拡充や、金融教育セミナーの増加などで、知識をインプットする場面は増えてきているものの、知識のアウトプットや理解度を測定する機会は少ないのが現状です。
「金融リテラシー検定」は、知識のアウトプットや理解度の測定に役立ちます。
受験の申し込みをしたい方はこちらをご覧ください。
[注4]一般社団法人 金融財政事情研究会「金融リテラシー検定」
https://www.kinzai.or.jp/literacy/index.html
「金融リテラシー検定」の魅力
「金融リテラシー検定」で目指しているのは、以下の2つです。
- 受験者が実生活で活かせる金融知識を習得すること
- 身につけた金融知識を通して、将来的に豊かで安心できる生活を実現すること
「金融リテラシー検定」を通じた金融知識の向上により、金融トラブルや詐欺から身を守ることにつながります。また、効率的な資産形成によって自らが思い描くライフプランの実現に近づけることも、受験者にとっての魅力です。
さらに「金融リテラシー検定」は受験者だけでなく、保護者や学校にとっても魅力があります。
例えば、保護者は子どもの将来に対する不安を軽減できる他、子どもを通して新たな金融知識を学べます。
学校は習熟度を計測・管理できたり、授業で活用したりすることが可能です。
「金融リテラシー検定」の活かし方
「金融リテラシー検定」はさまざまな場面で活かせます。受験者個人と、学校や企業にとっての活かし方をご紹介します。
受験者個人の活かし方
受験者個人は、学校の授業やセミナーで学んだ金融知識をアウトプットし、理解度を測る機会として「金融リテラシー検定」を活かせます。自分の知識がどれくらいあるかを確認し、将来的な金融知識の習得につなげることも可能です。
また、「金融リテラシー検定」は金融リテラシーの習得を目的とした検定なので、実生活における金融トラブルの回避や資産形成など活にも活かせます。
受験料無料キャンペーンも行っていますので、条件に適応される方は無料で受験することが出来ます。
学校や企業にとっての活かし方
学校の場合、金融について学んだゴールとして、また学習の習熟度を測る指標として「金融リテラシー検定」を活かせます。進学や就職の際は、取得した資格の一つとしてアピールすることも可能です。
企業の場合、「金融リテラシー検定」の受験を推奨することで、従業員の金融リテラシー向上が見込めます。これにより従業員は、金融トラブルの回避や計画的な資産形成ができるようになり、ファイナンシャル・ウェルビーイングの実現にも役立ちます。
学校の授業や企業の研修等で、SMBCグループ金融経済教育のセミナーを開催した場合、受講者の皆さんは受験料無料で受験することが可能です。[注5]
[注5]SMBCコンシューマーファイナンス「SMBCグループ金融経済教育とは?」
https://www.promise-plaza.com/about/
最後に
社会経済環境の変化や金融トラブルの多発などの背景から、金融リテラシーが求められる場面が増えています。トラブルから身を守り、思い描くライフプランを実現するためには、正しいお金の知識と判断力が必要です。
「金融リテラシー検定」では、金融トラブルや家計管理、投資などに必要な知識を幅広く学べます。
実生活で役立つ金融知識を身につけ、より豊かな人生にするためにも「金融リテラシー検定」を受験してみてはいかがでしょうか。
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